ホームページを立ち上げたいけれど、「HPサーバーって何?」「どう選べばいいの?」と悩んでいませんか?専門用語が多く、料金プランも様々で、何を基準に選べばいいのか分からないという声をよく耳にします。
実は、HPサーバー選びで失敗する原因の多くは、比較すべきポイントを知らないことにあります。本記事では、HPサーバー(レンタルサーバー)の基礎知識から、失敗しない選び方と7つの比較ポイントまで、どなたにも分かりやすく解説します。
HPサーバーとは?ホームページ公開に必要不可欠な理由
HPサーバーとは、ホームページをインターネット上に公開するための「土地」のような役割を果たすものです。一般的に、事業者が用意したサーバーをスペース貸しする「レンタルサーバー」を指します。
ドメインは「住所」、サーバーは「土地」に例えられます。どんなに立派な住所(ドメイン)を取得しても、建物を置く土地(サーバー)がなければホームページは表示できません。
自社でサーバーを構築する方法もありますが、初期投資や専門知識が必要なため、多くの企業や個人はレンタルサーバーを利用しています。2025年現在、レンタルサーバーには共用サーバー、VPS、専用サーバーなど複数の種類がありますが、まずは低コストで始められる共用サーバーが最適です。
共用サーバーとは:1台の物理サーバーを複数のユーザーで共有するタイプ。費用を抑えられるため、個人や中小企業のホームページに最適です。
【比較ポイント①】容量とストレージ、どれくらい必要?
サイトの規模によって必要な容量は大きく変わります。一般的に、次のような目安があります。
- テキスト中心のブログ:数百MB~10GB
- 画像や動画を含むブログ:50~200GB
- 企業サイト:50~100GB
- ECサイト:100GB~500GB
重要なのはストレージの種類です。従来のHDDに比べ、SSDは約5倍高速、さらにNVMe SSDは従来SSDの最大14倍もの読込速度を実現します。メーカーによると、2025年現在、多くのレンタルサーバーでNVMe SSD採用が進んでいます。
将来的なコンテンツ追加を考慮し、現在の必要量の1.5~2倍の容量を確保しておくことが、HPサーバー選びのコツです。
SSD・NVMe SSDとは:データを保存する装置の種類。SSDは従来のHDDより高速で、NVMe SSDはさらに高速な最新規格です。ホームページの表示速度に直結します。
【比較ポイント②】転送量の計算方法を知っていますか?
転送量とは、サーバーから訪問者へ送信されるデータの総量です。計算式は「月間PV数 × 1ページあたりの平均データ量」で、1ページあたり0.5~1.6MBが一般的とされています。
具体的には、月間1万PVなら約5~10GB、月間10万PVなら約50~160GBが必要です。転送量無制限プランも増えていますが、実質的な上限や公平利用規定が存在するため、契約前の確認が必要です。
アクセスが急増した際の対策として、CDNの導入も検討しましょう。メーカーによると、CDN利用で実際の転送量を30~50%削減できるケースもあります。
PVとは:ページビューの略。ホームページが何回表示されたかを示す数値です。 CDNとは:コンテンツ配信ネットワークの略。世界中に設置されたサーバーから最も近い場所のデータを配信することで、表示速度を向上させる技術です。
【比較ポイント③】処理性能はアクセス数で決まる
CPU・メモリは同時アクセス数の処理能力に直結します。メーカーによると、サイト規模別の推奨スペックは次のとおりです。
- 月間1万PV程度の個人ブログ:1コア・512MB~1GB
- 月間1~3万PVの小規模ビジネスサイト:2コア・2GB
- 月間10~30万PVの中規模サイト:4~6コア・4~8GB
WordPressを使用する場合、2~4コア・2~4GBメモリが快適に動作する基準です。プラグイン数や動的コンテンツの量によって負荷が変動するため、HPサーバーを選ぶ際は将来的なアクセス増加を見越したスケールアップの余地も確認しておきましょう。
CPUとは:中央処理装置。サーバーの頭脳にあたる部分で、コア数が多いほど複数の処理を同時にこなせます。
メモリとは:一時的にデータを保存する場所。容量が大きいほど、多くの情報を素早く処理できます。 WordPressとは:世界で最も利用されているホームページ作成ツール。専門知識がなくても簡単にホームページを作成・更新できます。
【比較ポイント④】表示速度が遅いとどうなる?
Googleは2018年に「スピードアップデート」でモバイル検索のランキング要素に表示速度を組み込み、2022年にはPCにも拡大しました。表示速度の遅延は訪問者の離脱率上昇につながり、間接的に検索順位へ悪影響を及ぼします。
速度を左右する要素として、NVMe SSD採用、HTTP/2・HTTP/3対応、LiteSpeed採用、CDN導入などがあります。一般的に、TTFBは200ミリ秒以下が理想、500ミリ秒以上は要注意とされています。
HPサーバーの選び方として、契約前に実測データを確認することをおすすめします。PageSpeed InsightsやGTmetrixなどの無料ツールで、各サーバーの実際の速度を比較できます。
TTFBとは:Time To First Byteの略。訪問者がホームページにアクセスしてから、最初のデータが届くまでの時間です。この時間が短いほど、サーバーの応答が速いことを示します。
【比較ポイント⑤】セキュリティ対策は何が必要?
SSL証明書には無料と有料があります。無料SSLは費用0円で基本的な暗号化ができますが、企業サイトは信頼性アピールのため有料SSL(年間数千円~20万円)が推奨されています。有料SSLには、企業の実在証明や専用のサイトシールが付属します。
WAFは、外部からの不正アクセスやサイバー攻撃を防ぐ機能です。一般的なファイアウォールとは異なる防御層で、現在では標準搭載サーバーも増えています。
データのやり取りには、FTPではなくSFTPを使用することで盗聴リスクを回避できます。さらに、自動バックアップ機能と外部バックアップの併用で、データ損失リスクに備えましょう。
SSL証明書とは:ホームページとユーザー間の通信を暗号化する仕組み。URLが「https://」で始まるサイトは、SSL証明書が導入されています。 WAFとは:Web Application Firewallの略。ホームページへの攻撃を自動的に検知・遮断するセキュリティシステムです。 FTP・SFTPとは:ファイルをサーバーにアップロードする方法。FTPは暗号化されていないため、より安全なSFTPの利用が推奨されています。
【比較ポイント⑥】サポート体制で困らないために
トラブル発生時、電話サポートがあると即座に相談でき、解決までの時間を大幅に短縮できます。メールやフォームは24時間送信可能で記録が残りますが、返信に数時間~1日程度かかることもあります。
2025年現在、主要サーバーの多くは平日10~18時の電話・チャットサポートを提供していますが、企業サイトなど業務で使用する場合は24時間365日対応の有無も重要な比較ポイントです。メーカーによっては、オプションで24時間電話サポートを提供しているケースもあります。
HPサーバーの選び方として、サポート品質は返信速度だけでなく、専門性の高さも確認しましょう。
【比較ポイント⑦】料金比較の落とし穴に注意
2025年の共用サーバーの月額相場は400円~5,000円で、初期費用は0円~5,000円(無料化傾向)です。これに加えてドメイン費用(年間1,000円~3,000円)や各種オプション費用も発生します。
長期契約割引を活用すると、36ヶ月契約で月額20~40%削減できるのが一般的です。ただし、月額料金だけでなく、初期費用・ドメイン更新費・バックアップ復元費などを含めた総保有コストで比較することが、HPサーバー選びで失敗しないコツです。
多くのサーバーが10日~30日間の無料期間や返金保証を提供しているため、実際に使用してから判断することをおすすめします。
7つの比較ポイント一覧表
| 比較項目 | 確認ポイント | 推奨基準 |
|---|---|---|
| 転送量 | 月間PV数換算 | 月10万PVで50~160GB |
| CPU・メモリ | サイト規模対応 | WordPress:2~4コア・2~4GB |
| 表示速度 | TTFB値 | 200ミリ秒以下が理想 |
| セキュリティ | SSL・WAF | 無料SSL+WAF標準搭載 |
| サポート | 対応時間・手段 | 電話サポート対応推奨 |
| 料金 | 総保有コスト | 初期費用込みで比較 |
まとめ:HPサーバー選びは目的に合った比較ポイントの見極めが鍵
HPサーバーの選び方で失敗しないためには、7つの比較ポイントを総合的に判断することが重要です。最安プランを選んで性能不足に陥るリスクと、過剰スペックで無駄なコストをかけるリスクの両方を避ける必要があります。
現在のサイト規模だけでなく、将来的な成長を見越したスケールアップの余地も確認しましょう。無料期間を活用して実際の管理画面の使いやすさや表示速度を体験することで、より確実な判断ができます。
本記事で紹介した選び方と7つの比較ポイントを参考に、あなたのホームページに最適なHPサーバーを見つけてください。

