「無料でホームページが作れる」というWixの魅力に惹かれていませんか?しかし、実際に使い始めてから「思っていたのと違った」と後悔する人が後を絶ちません。Wixの無料プランには、個人ホームページを運営する上で見過ごせない制限が数多く潜んでいます。
特に注意が必要なのは、無料プランの制約は表面的な不便さだけでなく、将来的な選択肢を狭める深刻な問題を含んでいるという点です。この記事では、Wixで個人ホームページを作る前に必ず知っておくべき5つの落とし穴を、具体的なデータとともに解説します。
落とし穴1:独自ドメインが使えず、信頼性が大きく下がる
Wixの無料プランで最初に直面する問題が、URLの形式です。無料プランでは「ユーザー名.wixsite.com/サイト名」という長いサブドメイン形式のURLしか使えません。
サブドメインとは:インターネット上の住所の一種で、他人が所有するドメインの下に作られる従属的なアドレスのこと。独自ドメインと比べて信頼性が低く見られます。
一般的に、このようなサブドメイン形式のURLは「無料サービスを使っている」という印象を与え、ビジネス目的やポートフォリオサイトとして使う場合は信頼性の面で大きなマイナスとなります。検索エンジンからも「Wixサイトの一部」として認識されやすく、個人ホームページとしての独自性が出しにくくなります。
独自ドメインを使いたい場合は、Wixの有料プラン(月額1,200円~)への切り替えが必須です。本格的にWixで個人ホームページを運営するなら、この費用は避けられません。
Wix広告は消せない?無料プランの表示制限
無料プランでWixの個人ホームページを作成すると、サイト上部などにWixの広告が強制的に表示され続けます。この広告は訪問者の目に必ず入る位置に配置され、あなたが削除することは一切できません。
メーカーによると、この広告を非表示にする唯一の方法は、月額900円以上の有料プランにアップグレードすることです。広告の存在は、せっかく訪れてくれた訪問者の離脱を招くだけでなく、個人ホームページとしてのプロフェッショナルな印象を大きく損ないます。
特に作品を見せるポートフォリオサイトや、ビジネス用途の個人ホームページでは、この広告表示が致命的な弱点となるでしょう。
落とし穴3:データ容量500MBの現実―作れるのは5ページまで
Wixの無料プランのデータ容量はわずか500MBに制限されています。この数字だけ見てもピンと来ないかもしれませんが、一般的に画像を5枚程度使用したページを作ると約1MBを消費するため、実質的に安全に作成できるのは5ページ程度の小規模サイトまでというのが現実です。
写真や作品画像を複数掲載したいポートフォリオサイト、動画コンテンツを含む個人ホームページでは、この容量制限にあっという間に到達してしまいます。有料プランではパーソナルプランで2GB、スモールビジネスプランで50GBと大幅に容量が増えますが、無料プランのままでは本格的な個人ホームページの運営は困難です。
また、月間の通信量(帯域幅)も1GBに制限されており、一般的に2MBのページであれば約1,000ページビューで上限に達します。アクセスが増えてきた時点で、無料プランでは対応できなくなる可能性が高いのです。
帯域幅とは:一定期間にやり取りできるデータの総量のこと。訪問者がページを見るたびに消費され、上限を超えるとサイトが正常に表示されなくなります。
Wixからの移行は事実上不可能―最大の落とし穴
Wixで個人ホームページを作る前に最も注意すべき点が、他のツールへの移行困難性です。これは無料・有料プランに関わらず、Wix全体に共通する深刻な問題です。
Wixにはデータをエクスポートする機能が存在しません。メーカーの公式ヘルプセンターでも、ブログ記事などのエクスポートができないことが明記されています。WordPressなど他のプラットフォームに移行したくなった場合、1ページずつ手作業でコンテンツをコピーする必要があり、サイト構造やデザインは完全にゼロから作り直しとなります。
エクスポートとは:作成したデータを外部に取り出して、他のサービスでも使えるようにする機能のこと。Wixにはこの機能がありません。
プラットフォームとは:ホームページを作成・運営するためのサービス基盤のこと。Wix、WordPress、Jimdoなどが代表例です。
さらに深刻なのは、一度選んだテンプレート(デザインの雛形)は後から変更できないという制約です。ブランドイメージを変更したい場合でも、個人ホームページ全体を作り直す必要があります。このプラットフォーム依存は、あなたの将来の選択肢を大きく狭めるリスクとなります。
落とし穴5:無料プランでも結局お金がかかる仕組み
個人ホームページでも本格的に活用しようとすると、Wixの無料プランでは限界があります。特に見落としがちなのが、独自ドメインのメールアドレスが別料金という点です。
Wixの有料プランに加入しても、メールアドレスは1つあたり月額680~816円(税抜)の追加料金が発生します。一般的に、他社のドメインサービスでは無制限で月額95円程度から利用できることを考えると、Wixのメール料金は非常に割高です。複数のメールアドレスが必要な場合、想定外のコストが膨らんでいくことになります。
また、商品販売やオンライン決済機能を使いたい場合も、Wixの無料プランでは一切利用できません。ネットショップ機能を使うには、ビジネスプラン(月額2,600円~)以上への加入が必須です。
Wix料金プラン比較表
| プラン | 月額料金 | データ容量 | 独自ドメイン | 広告表示 | ネット販売 |
|---|---|---|---|---|---|
| パーソナル | 1,200円 | 2GB | 可能 | なし | 不可 |
| スモールビジネス | 2,100円 | 50GB | 可能 | なし | 不可 |
| ビジネス | 2,600円 | 100GB | 可能 | なし | 可能 |
まとめ:Wixの無料プランは本当にあなたに合っているか
Wixの無料プランで個人ホームページを作ることは可能ですが、サブドメイン形式、広告の強制表示、データ容量500MBの制限、他ツールへの移行困難性、そして追加コストという5つの落とし穴があります。
テスト・練習目的や、名刺代わりの簡易的な個人ホームページであれば無料プランでも十分機能します。しかし、本格的な個人ホームページとして長期運営を考えている場合、これらの制約は大きな障害となるでしょう。
特に重要なのは、Wixで作った個人ホームページは他のサービスに移行することが極めて困難という点です。将来的に他のツールへ移行する可能性が少しでもある方は、Wix以外のプラットフォームも含めて慎重に選択することをおすすめします。
無料という魅力に飛びつく前に、これら5つの落とし穴を十分に理解した上で、あなたの目的に合ったプラン選びをすることが、後悔しない個人ホームページ作りの第一歩です。
