「費用を抑えてホームページを作りたい」──そう考えて無料サイト作成サービスを検討している方は多いでしょう。
確かに初期費用ゼロは魅力的です。しかし、安易に飛びつくと後悔する落とし穴が数多く潜んでいます。
本記事では、無料サイト作成サービスに潜む7つの危険性と、失敗しない対策を詳しく解説します。
落とし穴1：ある日突然サイトが消える？サービス終了のリスク
無料サイト作成サービスの最大の落とし穴は、運営会社の都合でサービス自体が終了するリスクです。
過去には大手企業が提供していた無料ホームページサービスが突如終了し、多くの利用者がサイトを失った事例があります。
さらに怖いのは、規約違反と判定されれば即座にアカウントが凍結される可能性です。一般的に、多くの無料サービスではデータを持ち出す機能が提供されていません。
つまり、積み上げたコンテンツが一瞬で失われる事態に陥ります。
失敗しない対策
完全な対策は困難ですが、記事の文章や画像は定期的に手元のパソコンやクラウドストレージに保存しておきましょう。
落とし穴2：独自ドメインが使えず「借家」状態に
無料プランでは通常、サブドメインしか使えません。
サブドメインとは：yoursite.service.comのように、サービス名が入ったアドレスのことです。これは自分の資産ではなく、あくまで「借りている」状態を意味します。
検索エンジンは独自ドメインとサブドメインを別々に評価するため、サブドメインでは検索順位の評価が自分の資産として蓄積されません。
また、ドメイン管理機関の調査によると、独自ドメインと無料ドメインでは利用者の信頼度に大きな差があることが明らかになっています。
失敗しない対策
名刺に無料ドメインを記載することは、お客様からの信頼を失う原因になります。最初から独自ドメインを取得しましょう。月額数百円で利用できるサービスがあります。
独自ドメインとは：example.comのように、自分だけのオリジナルアドレスのことです。
落とし穴3：意図しない広告が勝手に表示される
無料サイト作成サービスの収益源は広告です。
そのため、あなたのサイトに競合他社の広告や、時には不適切な広告が表示される可能性があります。これは単なる見た目の問題ではありません。
広告によってブランドイメージが損なわれ、訪問者がすぐにサイトを離れてしまう原因となり、せっかくの集客機会を失う落とし穴となります。
失敗しない対策
ビジネスで使うなら、広告を非表示にできる有料プランへの移行は必須と考えましょう。
落とし穴4：SEO対策に致命的な制限がある
「キーワードを入れれば検索で上位に表示される」と考えるのは大きな誤解です。
無料サイト作成サービスでは、SEO対策に必要な細かい設定ができないという落とし穴があります。
SEOとは：検索エンジン最適化のことで、GoogleやYahoo!などの検索結果で上位に表示されるための対策です。
検索エンジンの公式資料によれば、ページの説明文やアドレス構造の最適化は重要な要素です。しかし無料プランでは、これらの設定が制限され、分析ツールとの連携も不完全なケースが多く見られます。
結果として、検索結果での上位表示が極めて困難になります。
失敗しない対策
本格的な集客を目指すなら、SEO対策の機能が充実しているサービスを選びましょう。
落とし穴5：容量制限でサイトが成長できない
無料プランには、ページ数や画像容量に厳しい制限があります。
例えば「5ページまで」といった制限により、事業の成長に合わせてサイトを拡張できないという落とし穴に陥ります。
また、アクセスが集中した際の通信量制限により、多くの人がサイトを見ようとしても表示されないという機会損失も発生します。
商品が話題になってアクセスが増えたのに、肝心のサイトが見られないという本末転倒な事態になりかねません。
落とし穴6：結局、有料プランより高くつく罠
「軌道に乗ったら有料プランに移行すればいい」と考えるのは危険です。
実は無料サービスの上位プランは、一般的なレンタルサーバーとの組み合わせより割高になるケースが多いのです。
さらに致命的なのは、多くのサービスでは独自の仕組みのため、他社サーバーへのデータ移行ができないという点です。ページ数が増えた後に移行しようとすると、すべて作り直しになります。
これが「ベンダーロックイン」という落とし穴で、結果的に高額なプランを払い続けることになります。
ベンダーロックインとは：特定のサービスに依存してしまい、他社に乗り換えられなくなる状態のことです。
| 比較項目 | 無料サービス有料プラン | レンタルサーバー＋WordPress |
|---|---|---|
| データ移行 | 困難（作り直しが必要） | 可能（資産として蓄積） |
| 自由度 | 制限あり | カスタマイズ自由 |
失敗しない対策
目先の無料に飛びつかず、1年後、3年後のコストを計算して比較しましょう。
落とし穴7：セキュリティとサポートが不十分
一部の無料サービスでは、SSL化（通信の暗号化）が不完全で、ブラウザに「保護されていない通信」と警告表示されるリスクがあります。
SSL化とは：サイトのアドレスがhttpsで始まる、通信を暗号化して安全性を高める仕組みです。
これはお客様の個人情報を扱う事業者にとって致命的です。
また、セキュリティ専門機関のレポートによると、無料ホスティングサービスは詐欺サイトの踏み台として悪用されやすく、サービス全体が危険なサイトとして認定される危険性も指摘されています。
さらに、無料プランではサポートが掲示板やメールのみで、返信が遅いという落とし穴もあります。トラブル時に電話で相談できないのは、ビジネスでは大きなリスクです。
失敗しない対策
ビジネスで使うなら、SSL対応が完全で、電話サポートがあるサービスを選ぶべきです。
まとめ：無料サイト作成サービスの落とし穴を避けるために
無料サイト作成サービスは、短期イベントや完全な趣味目的なら選択肢になります。
しかしビジネス利用では、7つの落とし穴が成長の妨げとなります。具体的には以下の点に注意が必要です。
- サービス終了やアカウント凍結のリスク
- 独自ドメインが使えず信頼性が低い
- 意図しない広告表示による機会損失
- SEO対策の制限で集客が困難
- 容量制限でサイトが成長できない
- 結局は高額な費用がかかる
- セキュリティとサポートが不十分
失敗しない対策は、目的と予算を明確にし、長期的な視点でサービスを選ぶことです。
「無料」という言葉に惑わされず、自分のビジネス資産として育てられるサイト作りを目指しましょう。
