自社のホームページを立ち上げたいけれど、制作会社に依頼すると数十万円の費用がかかってしまう。そんな悩みを抱えている方にとって、無料で使えるサイト作成サービスは魅力的な選択肢です。しかし、2025年は無料サービス市場に大きな変化が起きています。ペライチが無料プラン廃止を発表するなど、業界全体が有料化へシフトする動きが加速しているのです。
本記事では、2025年最新のサイト作成無料サービスを徹底比較し、目的別に最適なツールをご紹介します。あなたのビジネスやプロジェクトに本当に合うサービスはどれなのか、見極めるポイントを押さえていきましょう。
2025年版|無料サービス市場で今、何が起きているのか?
サイト作成無料サービスの市場は大きな転換期を迎えています。最も象徴的なのが、ペライチの2025年10月からの無料プラン廃止です。これまで無料で1ページのサイトを公開できたこのサービスが、最低月額1,465円からの有料プランのみに移行しました。
一方で、完全無料を維持しているサービスも存在します。Googleが提供するGoogle Sitesは、容量無制限・広告表示なし・独自ドメイン設定可能という条件で、引き続き無料で利用できます。メーカーによると、Wixは世界で2.5億人以上が利用し、Jimdoは世界3200万サイト以上を抱える大手サービスとして、無料プランと有料プランの両方を提供し続けています。
無料サービスを選ぶ際には、突然のサービス終了や料金改定のリスクも視野に入れる必要がある時代になったと言えるでしょう。
独自ドメインとは:「yourcompany.com」のような、あなただけのオリジナルのウェブアドレスのことです。無料プランでは「yourname.wix.com」のように、サービス名が入ったアドレス(サブドメイン)しか使えないことが多く、ビジネスの信頼性に影響します。
どれを選ぶべき?主要サービスの機能・料金を一覧比較
サイト作成無料サービスを選ぶ際、最も重要なのが各サービスの機能制限と有料プランの料金体系です。以下の比較表で主要サービスの特徴を確認しましょう。
| サービス名 | デザインの選択肢 | 無料プランの主な制約 | 有料プラン最低料金 |
|---|---|---|---|
| Jimdo | 約40種類 | 容量500MB、5ページまで、広告表示あり | 月990円~ |
| STUDIO | 25種類以上 | 月間2,000人まで閲覧可能 | 月590円~ |
| WordPress.com | 10,000種類以上 | 容量1GB、広告表示あり | 月1,280円~ |
| Google Sites | 限定的 | 制限なし、広告表示なし | 完全無料 |
一般的に、無料プランには「独自ドメインが使えない」「サービスの広告が表示される」「容量やページ数に制限がある」といった制約があります。ビジネスで本格的に使う場合、これらの制約は信頼性を大きく損なう要因となるため、有料プランへの移行を前提に考えるのが賢明です。
注目すべきは、STUDIOの有料プランが月590円からと、主要サービスの中で最も手頃な価格である点です。デザイン性にこだわりたい方や、将来的な拡張を見据えている方には有力な選択肢となるでしょう。
テンプレートとは:サイトのデザインのひな型のことです。これを選ぶだけで、プロがデザインしたような見た目のサイトを簡単に作ることができます。選択肢が多いほど、自分のイメージに合ったデザインが見つかりやすくなります。
これが答えだ|目的別・最適サービスの選び方
サイト作成サービスは目的によって最適なものが大きく異なります。ここでは代表的な利用シーンごとに、おすすめのサービスをご紹介します。
【会社概要だけの簡単なサイトが欲しい】
Google Sitesが最適です。完全無料で容量制限なし、広告も表示されません。ただし、デザインの選択肢は限定的なので、見た目にこだわりたい場合は他のサービスの有料プランを検討しましょう。
【ブログや作品を紹介するサイトを作りたい】
WordPress.comがおすすめです。一般的に、デザインの選択肢が10,000種類以上と圧倒的に豊富で、記事の投稿や管理がしやすい仕組みになっています。写真やイラストなどの作品を美しく見せたい方には、Ameba Owndも選択肢となります。
【商品やサービスを訴求する1ページ完結型のサイトが必要】
Wixが有力候補です。900種類を超えるデザインから、見た目の美しいページを作成できます。なお、メーカーによると、ペライチもこの用途に特化していましたが、2025年10月以降は有料プラン必須となっています。
ランディングページ(LP)とは:商品購入や問い合わせなど、特定の行動を促すために作られる1ページ完結型のウェブページです。通常のサイトと違い、訪問者を迷わせないシンプルな構成が特徴です。
【会社のコーポレートサイトを構築したい】
この用途では、無料サービスでの自作は慎重に検討すべきです。信頼性や本格的な検索対策を考えると、制作会社への委託やWordPressでの構築が望ましい場合が多いでしょう。どうしても自分で作る場合は、JimdoのAIビルダー機能やWixの有料プランが選択肢となります。
SEO対策とは:GoogleやYahoo!などの検索エンジンで、自分のサイトが上位に表示されるようにする取り組みのことです。検索結果の上位に表示されるほど、多くの人にサイトを見てもらえる可能性が高まります。
【ネットショップを開設したい】
一般的なサイト作成サービスではなく、BASE、STORES、ShopifyといったECサイト専用サービスの利用が推奨されます。商品の決済機能や在庫管理など、販売に必要な機能が最初から備わっているためです。
失敗を避ける|無料プラン選びの3大チェックポイント
サイト作成無料サービスを選ぶ際、見落としがちだが重要なポイントが3つあります。
【チェック1】独自ドメインと広告表示は必ず確認すべし
無料プランでは「yoursite.wix.com」のような、サービス名が入ったウェブアドレスしか使えず、さらにサービスの広告が強制的に表示されるケースがほとんどです。一般的に、これらはビジネスの信頼性を大きく損ないます。本格的に集客や売上を目指すなら、独自ドメインが設定でき、広告が非表示になる有料プランの利用を前提に考えましょう。
【チェック2】将来の成長を見据えたサービス選びが重要
最初は1ページの簡単なサイトでも、ビジネスが成長すれば複数ページの追加や機能の拡張が必要になります。ページ数制限や容量制限が厳しいサービスを選ぶと、後から別のサービスに移行する手間とコストが発生します。メーカーによると、サービス間のデータ移行は実質的に困難なケースも多いため、最初の選定が重要です。
【チェック3】困ったときのサポート体制を軽視するな
無料プランではメールでの問い合わせのみで、回答に数日から数週間かかる場合があります。トラブル発生時に迅速な対応が必要なビジネス利用では、電話サポートが受けられる有料プランの方が安心です。特に、サイトが表示されなくなったり、重要なデータが消えたりした場合、すぐに相談できる窓口があるかどうかは死活問題となります。
まとめ|2025年の賢い選択は「有料前提」で考えること
2025年のサイト作成無料サービス市場は、ペライチの無料プラン廃止に象徴されるように、有料化への流れが加速しています。完全無料で制限なく使えるのはGoogle Sitesのみという状況です。
無料プランは「サービスの使い勝手を試す期間」と位置づけ、本格的なビジネス利用には有料プランへの移行を前提に考えるのが現実的でしょう。STUDIOの月590円から、Jimdoの月990円、Wixの月1,300円と、有料プランでも月1,000円前後から利用できるサービスが揃っています。
制作会社に依頼すれば数十万円かかるところを、月額1,000円程度で自社サイトを運営できるのは、依然として大きなコスト削減効果があります。まずは目的に合わせた最適なサービスを選び、無料プランで操作性を確認してから、ビジネスの成長に合わせて段階的にプランをアップグレードしていく。これが、2025年におけるサイト作成の賢い選択と言えるでしょう。
