Web制作の現場で「話についていけない」と感じたことはありませんか?
HTML、CSS、ドメイン、SEO……。
次々と登場する専門用語に圧倒され、制作会社との打ち合わせで何を言われているのか分からない。教材を読んでも、用語の意味が分からず先に進めない。そんな経験をお持ちの方は少なくありません。
しかし、Web作成の基礎知識として本当に必要な用語は限られています。
本記事では、これからWeb制作を学ぶ方、制作会社とやり取りする方に向けて、実務で頻出する重要用語を厳選しました。カテゴリー別に整理することで、体系的に理解できる構成になっています。
Web作成に必要な3つの言語は何が違う?
Web作成の基礎知識として、まず押さえるべきはWebページを構成する3つの言語です。
HTML(エイチティーエムエル)は、Webページの骨組みを作る言語です。見出し、段落、画像といった要素を配置し、ページの土台を形成します。
CSS(シーエスエス)は、HTMLで作った骨組みに見た目を与える言語です。文字の色、レイアウト、余白など、視覚的な装飾を担当します。
JavaScript(ジャバスクリプト)は、Webページに動きをつける言語です。ボタンをクリックしたときの反応や、画像のスライドショーなど、動的な機能を実現します。
| 言語 | 役割 | 具体例 |
|---|---|---|
| CSS | デザイン・見た目 | 色、レイアウト、フォント |
| JavaScript | 動作・機能 | クリック反応、アニメーション |
この3つの言語が連携することで、魅力的なWebサイトが完成します。
言語とは:プログラミング言語やマークアップ言語のこと。コンピュータに指示を出すための特殊な文法体系を指します。
サイト公開に必要なインフラ用語を知っていますか?
Web作成の基礎知識として、サイトを公開するための仕組みを理解しておきましょう。
ドメインは、インターネット上の住所です。「example.com」のような形式で、訪問者がサイトにアクセスするための目印になります。
サーバーは、Webサイトのデータを保管する場所です。土地のような存在で、一般的に月額1,000〜5,000円程度のレンタルサーバーを利用します。
DNS(ディーエヌエス)は、ドメインとサーバーを紐づける仕組みです。郵便番号から住所を特定するようなイメージです。
セキュリティ面では、SSL/TLS(エスエスエル/ティーエルエス)による通信の暗号化が必須です。
HTTPS(エイチティーティーピーエス)は、SSL/TLSで保護された安全な通信を意味します。
SSL証明書がサイトの身元を証明する役割を果たします。
メーカーによると、HTTPS化されていないサイトはブラウザで「保護されていない通信」と警告表示され、検索順位にも影響があるとされています。
暗号化とは:データを特殊な方法で変換し、第三者に読み取られないようにする技術です。個人情報やクレジットカード情報を守ります。
制作プロセスで出てくる設計用語、理解できていますか?
Web作成のプロジェクトでは、企画・設計段階の用語を知っておくと、制作会社とのやり取りがスムーズになります。
要件定義(ようけんていぎ)は、サイトの目的やターゲット、必要な機能を明確にする作業です。ここが曖昧だと、後で追加費用が発生する原因になります。
サイトマップは、サイト全体の構造を図式化したものです。どのページがどう繋がっているかを可視化します。
ワイヤーフレームは、レイアウトや構造を簡易図で示したものです。デザイン前の設計図にあたり、この段階で構成を確認します。
デザインカンプは、完成イメージを示す静止画のデザイン案です。
実装段階では、コーディング(HTMLでページ構造を記述する作業)、フロントエンド(訪問者が見る画面側の開発)、バックエンド(サーバー側の処理やデータ管理)といった用語が頻出します。
実装とは:設計図をもとに、実際にプログラムを書いて機能を作り上げることです。
デザインの質を左右するUI/UXって何のこと?
Web作成の基礎知識として、デザイン関連の用語は避けて通れません。
レスポンシブデザインは、画面サイズに応じて自動調整されるデザイン手法です。パソコン、スマートフォン、タブレットのどれで見ても最適な表示を実現します。
UI(ユーザーインターフェース)は、訪問者が操作する画面や要素を指します。
UX(ユーザーエクスペリエンス)は、訪問者が得られる体験や満足度を意味します。
例えば、ボタンの配置や色がUI、そのボタンを押したときの「押しやすい」「分かりやすい」という感覚がUXです。
ページ構成要素としては、ヘッダー(ページ最上部のロゴやメニューエリア)、フッター(最下部のサイト情報エリア)、ナビゲーション(主要ページへのリンクメニュー)、ファーストビュー(スクロールせず最初に見える範囲)などがあります。
レイアウト技術であるFlexbox(フレックスボックス)やCSS Grid(グリッド)も、Web作成の現場でよく使われます。
レイアウトとは:文字、画像、ボタンなどの要素を、画面上にどう配置するかの設計です。
SEOと運用、集客に必要な用語を押さえていますか?
サイトを公開した後の集客・運用面では、SEO関連の用語が重要になります。
SEO(エスイーオー)は、検索エンジン最適化を意味します。GoogleやYahooで上位表示されるための施策全般を指します。
クローラーは、検索エンジンがWebページを巡回するプログラムです。
クローラーが収集した情報はインデックス(データベースへの登録)され、検索結果に表示されるようになります。
SERP(サープ)は検索結果ページのことで、オーガニック検索は広告以外の検索結果からの流入を指します。
アクセス解析では、Googleアナリティクスが代表的なツールです。
PV(ページビュー)はページの閲覧回数、セッションは一連の訪問期間、直帰率(ちょっきりつ)は1ページだけ見て離れた訪問者の割合を示します。
コンバージョンは目標達成(購入や問い合わせなど)を意味し、CTA(コール・トゥ・アクション)は「お問い合わせはこちら」のような行動を促すボタンやリンクです。
検索エンジンとは:GoogleやYahooなど、インターネット上の情報を検索するためのサービスです。
サイトの速度とセキュリティ、なぜ重要なの?
Web作成の基礎知識として、サイトの表示速度とセキュリティは見逃せません。
一般的に、ページの読み込みが1秒遅れると、購入や問い合わせといった成果が7%減少するというデータがあります。
約50%の訪問者は、3秒以上待たされると離脱するとも言われています。
Core Web Vitals(コア・ウェブ・バイタル)は、Googleが定めた3つの重要な体験指標です。
キャッシュ(一度読み込んだデータの一時保存)やCDN(コンテンツ・デリバリー・ネットワーク)による配信距離の短縮、Lazy Load(レイジーロード)(画面外の画像を後から読み込む技術)などの最適化技術が活用されます。
セキュリティ面では、FTP(エフティーピー)というファイル転送方式の安全版であるFTPSやSFTPの利用が推奨されています。
バックアップは、データ消失に備えた定期的なコピー作成です。
テスト環境と本番環境を分けて運用することで、トラブルを未然に防ぎます。
本番環境とは:実際に訪問者が閲覧する公開中のサーバー環境のことです。テスト環境は公開前の検証用です。
CMSと開発ツール、効率的なWeb作成に必要な理由は?
効率的なWeb作成には、CMSや開発ツールの理解が欠かせません。
CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)は、専門知識がなくてもWebサイトを更新できる仕組みです。
世界シェア1位のWordPress(ワードプレス)は無料で利用でき、テーマ(デザインの雛形)やプラグイン(機能を追加する部品)が豊富に用意されています。
ただし、プラグインの入れすぎは表示速度の低下やセキュリティリスクにつながるため、必要最小限に絞ることが推奨されています。
開発現場では、Git(ギット)というバージョン管理システムやGitHub(ギットハブ)というクラウドサービスが標準的に使われます。
ブラウザ(Chrome、Safari、Firefoxなど)ごとの表示差異に対応するクロスブラウザ対応や、API(エーピーアイ)(異なるソフト間を繋ぐ橋渡し機能)といった用語も頻出します。
バージョン管理とは:ファイルの変更履歴を記録し、過去の状態に戻せるようにする仕組みです。複数人での開発に不可欠です。
まとめ:Web作成の基礎知識は段階的に習得しよう
Web作成の基礎知識として、本記事では実務で頻出する重要用語を7つのカテゴリーに分けて解説しました。
HTML・CSS・JavaScriptの3つの言語から始まり、インフラ、設計、デザイン、SEO、パフォーマンス、開発環境まで、実務で必要な用語を体系的に整理しています。
これらの用語は一度に覚える必要はありません。
実際の制作や学習の中で出会ったときに、この記事を辞書のように参照してください。
状況に応じて必要な用語を段階的に習得していくことが、挫折せずにスキルを伸ばすコツです。
制作会社との打ち合わせや見積もり確認の際も、これらのWeb作成の基礎知識があれば、的確な質問や指示ができるようになります。
まずは頻出する基本用語から押さえて、一歩ずつ理解を深めていきましょう。
