【プロ解説】Webサイト制作会社の7つの違いとは?後悔しない選び方完全版

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Webサイト制作会社を探し始めると、見積もり金額が10万円から300万円以上まで大きく異なり、「一体どこに頼めばいいのか」と迷われる方が大半です。

実は、Webサイト制作会社には明確な7つの違いがあり、その違いを知らずに選ぶと、高額な費用を払ったのに集客できない、解約時にサイトが消えてしまうといったトラブルに巻き込まれるリスクがあります。

この記事では、Webサイト制作会社選びで後悔しないために押さえるべき7つの決定的な違いと、具体的な選び方のポイントを解説します。

違い①:目的と強みが全く異なる

Webサイト制作会社は、大きく分けて「集客重視型」「デザイン特化型」「システム開発型」「格安型」の4タイプに分類されます。

集客重視型は、マーケティング戦略や検索対策を得意とし、「問い合わせを増やしたい」「売上を上げたい」という目的に適しています。

一方、デザイン特化型は、採用サイトやブランディングサイトなど、見た目の美しさと企業イメージの向上を重視する案件に強みを持ちます。

格安型は「とりあえず会社概要を掲載したい」という名刺代わりのサイトには便利ですが、本格的な集客には向きません。自社の目的に合わないWebサイト制作会社を選ぶと、きれいなサイトができても成果が出ない、という失敗につながります。

違い②:制作体制と規模で対応力が変わる

Webサイト制作会社は、その規模によって対応力や費用が大きく異なります。

フリーランスは柔軟で小回りが利く反面、一人で対応するため納期や対応範囲に限界があります。小規模制作会社は少数精鋭で融通が利きやすく、コストと品質のバランスが取りやすいのが特徴です。

大手制作会社は体制が整い安心感がありますが、費用は高額になります。また、大手では担当者が頻繁に変わるケースもあるため、継続的な関係構築が難しい場合があります。

自社の予算と求めるサポート体制を考慮して、最適な規模のWebサイト制作会社を選びましょう。

違い③:費用構造の違いで総額が2倍以上変わる

Webサイト制作会社の費用体系には「一括払い型」「月額サブスク型」「リース契約型」の3つがあり、総支払額に大きな差が生まれます。

一括払い型は制作費のみを支払う最も一般的な形式です。一般的な費用相場は以下の通りです。

依頼先の種類制作費用の相場
小規模制作会社60万~180万円
中規模制作会社100万~300万円
大規模制作会社300万円~

月額サブスク型は初期費用が安く見えますが、長期的なランニングコストが高額になるケースがあります。

特に注意すべきはリース契約型です。「月額3万円でホームページが持てる」という勧誘は、総額(3万円×60回=180万円)で見ると割高な上、契約期間中は解約できません

国民生活センターでも、ホームページ作成のリース契約に関するトラブル事例が報告されており、解約不可や完済後も所有権が移らないといった問題が指摘されています。

リース契約とは:分割払いのような仕組みですが、通常の分割払いと違い、契約期間中は解約できず、完済してもサイトの所有権が自社に移らないことが多い契約形態です。

違い④:デザイン制作手法で品質と納期が決まる

Webサイト制作会社の制作手法には「テンプレート型」「セミオーダー型」「フルオーダー型」があり、それぞれ品質・納期・費用が大きく異なります。

テンプレート型は既存のデザインテーマを活用するため、10万~50万円程度で短期間に完成しますが、他社との差別化は難しくなります。

セミオーダー型は、テンプレートをベースに一部をカスタマイズする方法で、コストと個性のバランスが取れています。

フルオーダー型は完全オリジナルデザインで150万円以上かかりますが、企業の個性を最大限に表現できます。

自社に必要なのは「とにかく早く安く」なのか、「他社にはない独自性」なのかを明確にすることで、適切な制作手法を選択できます。

違い⑤:CMS選定の違いが将来の拡張性を左右する

国内Webサイトの約8割がWordPressを使用しており、最も主流な更新システムとなっています。

WordPressは汎用性が高く、Webサイト制作会社を変更する際も他社へスムーズに移行できます。

一方、制作会社独自のシステムで構築すると、その会社以外では更新や修正ができず、一生その会社に管理費を支払い続ける「ベンダーロックイン」のリスクがあります。

将来的なリニューアルや他社への乗り換えを考えると、汎用的なシステムを選ぶことが賢明です。

CMSとは:Content Management System(コンテンツ管理システム)の略で、専門知識がなくてもWebサイトの文章や画像を更新できる仕組みのことです。

ベンダーロックインとは:特定の会社のシステムに依存してしまい、他社に乗り換えられなくなる状態のことです。

違い⑥:契約形態と権利関係で解約後の運命が変わる

見落としがちですが極めて重要なのが、ドメインとサーバーの所有権です。

Webサイト制作会社名義で契約されている場合、解約時にドメイン(URL)の移管を拒否され、それまでのサイトや検索評価を全て失うリスクがあります。

必ず契約前に「ドメインとサーバーは自社名義か」「解約時に移管可能か」を確認してください。

また、著作権の扱いも重要で、利用許諾のみの契約では、解約するとサイト自体が使えなくなるケースもあります。

ドメインとは:インターネット上の住所のようなもので、「○○○.com」「○○○.jp」といったWebサイトのアドレスのことです。

サーバーとは:Webサイトのデータを保管する場所のことで、土地に例えられることもあります。

違い⑦:運用サポートの違いで公開後の成果が決まる

Webサイト制作会社の違いは、公開後のサポート体制にも表れます。

「作って納品して終わり」の会社と、「集客改善まで伴走する」会社では、その後の成果に雲泥の差が生まれます。

Webサイトは公開してからが本番です。中小企業庁の調査では、ホームページを開設しても「効果が出ている」と感じる企業は約4~5割程度に留まっています。この差は、公開後の改善活動の有無によるものです。

運用サポートには以下の3タイプがあります。

  • 納品型:サイトを作って納品したら終了
  • 保守管理型:サーバー監視やセキュリティ対策のみ対応
  • 伴走型:アクセス解析や改善提案まで継続サポート

問い合わせや売上を増やしたい場合は、月額保守・コンサル費(5万~30万円/月)を含めた伴走型のWebサイト制作会社を選び、「制作」よりも「公開後の改善」に予算を割くべきです。

契約前に「数字の成果(問い合わせ数増加率など)」の実績を確認しましょう。

まとめ:7つの違いを知れば後悔しない選択ができる

Webサイト制作会社の7つの違い(①目的・強み、②制作体制・規模、③費用構造、④デザイン手法、⑤システム選定、⑥契約形態・権利、⑦運用サポート)を理解することで、自社に最適な会社を見極められます。

特に注意すべきは、リース契約の回避、ドメイン・サーバーの自社名義確保、汎用的なシステムの選択、そして公開後の運用体制の確認です。

「安さ」だけで選ぶのではなく、「自社の目的を達成できるか」という視点で、慎重にWebサイト制作会社を選定してください。

Webサイトは会社の顔であり、重要な営業ツールです。この記事で解説した7つの違いを踏まえ、後悔のない選択をしていただければ幸いです。